
Model Factory Hiro 1:43 PORSCHE 962C
仮組み
本キットはさまざまな問題のあるキットなのですが、修復難易度の低い問題から解決していきます。まずはリヤウイングの長さが足りない問題。ウイングの両サイドにハンダを盛って延長しました。


ボディ下部はエッチング板が塞ぐことになっているのですがエッチング板の厚みをおさめるスペースがありません。中華ボール盤にフライステーブルを取り付けした自作フライス盤でエッチング板1枚分のスペースを確保しました。



本キットのリアカウルは両サイドにサイズオーバーで写真のようにはみ出ています。これを修正します。私の自作フライス盤は縦面の切削はすごく苦手。中華クオリティで軸がぶれているからですね。ガタガタの切削面はパテで修正します。ガレージキットが問題山積なのはむしろ当たり前。それをちぎっては投げちぎっては投げのペースで解決していかないと到底完成など出来ないのであります。


フライス盤の精度が悪いので切削面がガタガタですね。

切削面はパテで補修します。

ステアリングのラックケースのパーツなのですが、片方のキットのパーツ(写真手前)が湯回り不良で形状が欠けています。

これは3Dプリンターで修正することにします。


キットの不具合対応が続きます。 フロントのスタビライザーですが、片方のキットのものが、こちらも湯周り不良で両サイドの突出部が整形されていません。この部分は0.5mm厚の洋白板から切り出したものを追加しました。いい出来なのでもう一個も置き換えようかなと思います。



スタビライザーの両サイドの突起は前回キット不良の修正をしたのですが、もう一方もキットのものを切り落として洋白板に置き換えました。

エンジンルーム内の仮組みを進めています。サイズが合わないパーツを調整したり、ダボが小さすぎて強度が出ない場所はダボを切り落として洋白棒に置き換えたりしています。何かを一つつけるたびにシャシーの上に乗せてカウルが閉まるかどうかのチェックもします。

ギアボックスとエンジンはのちの組み立て工程を考えてビス留めにしました。


ギアボックスから伸びるトラス状のビームですがキットのホワイトメタルパーツでは長さが足りません。

3分割にして上下のビームを洋白線に置き換えることで長さを調整しました。

ぐにゃぐにゃ感もなくなっていい感じです。


MFH 1/43 963Cの最大の不具合の一つがこれです。ギアボックスのサイズが大きすぎてこのままでは収まりません。赤い部分を削り落としてやっと収まります。10年前私はこれに気づくのにとても時間がかかり、かなりの精神的負担を受けたこと覚えています。


オイルタンクの取付けですが説明書の方法ではうまく固定できそうにないのです。とてもじゃないけどこれではオイルタンクを固定出来ませんよね。

オイルタンクの固定には実際には無いステーをギアボックスからタンク固定用の台座を伸ばしその上に置くことにします。真鍮の角棒をギアボックスから伸ばしました。

タンク裏側にはこの角棒が嵌まるレールを彫ります。


正しい位置に固定できるとカウルの穴にオイルキャップがぴったりきます



フロントカウルの当たりを解消します。 このキットのフロントカウルはとても薄く整形されているのでちょっと削っては厚みを測り、穴を開けないように注意する必要があります。使ったの以前Xにポストした改造ノギスです
https://x.com/capilotz/status/1748630716974526776


リヤサスアーム、およびアップライトの取り付けです。 ここでは取り付け順序をしっかりと確認しておかなければいけません。ロアアーム→ドライブシャフト→アップライト→前側のアッパーアーム→後ろ側のアッパーアーム→サスペンション。この順番で組み立てます。

アップライトを取り付けたら車高を確認します。


アセトンで仮組みを解いたのでやり忘れた仕事を片付けます。フロントカウルとコックピットの隙間を埋めました。こうしてみると梨肌もひどいですね。これもパテ修正をしていきましょう。



表面の梨肌の処理をしました。かなりひどい肌荒れですね。サフを拭いた後にもう一度表面の確認と作業が必要です。

リアカウルを支えるこのエッチング、上下の薄い部分をおらなければいけないのですが、このエッチングがすごい硬い!バイスに噛ませてハンマーで折りました。



リアカウルを支えるステーをギアボックスに取り付けるためのダボがとても頼りないので0.5mmのステンレスパイプに置き換えました。


ドア横のラジエターエアインテーク内の仕切り板。エッチングパーツで片側4ピースずつもあります。1/43でここまで細かなパーツ構成はさすがMFH


お馴染みのキットの不具合修正。アンダーパネルと側面ボディとの間に隙間が空いてます。これは細切りにした鉛板で塞いでおきました。


ドアミラーのステーを半田付けしました。ステーとミラーの接点に小さなハンダを乗せ、フラックスを塗布したらステー側にコテを乗せて熱伝導でハンダを溶かします。そうすればミラーを融解させることもありません。
