作品のクオリティーを高めるTips:神は細部に宿る
細かな部分に気を配ろう。
作品全体のイメージの良し悪しを決めるのは、意外にもとても細かな部分だったりします。細かなところにきちんと気配りがされているということは、その作品全体としても当然良いものであろうと見る人に思われるからです。今回は塗装前下準備における細かな部分へのちょっとした気配りを解説します。
1. パドルシフトのパドル部分
これはステアリングの根元から出ているギアチェンジ用のバドルです。これの実物はカーボン製のとても薄いパーツとなります。キットのパーツはどうしてもプラの厚みが出てしまうのでこれをリューターによって削り込みました。1枚目の写真の右側がキットの厚み、左側が削り込んだ後になります。
2. ウェイストゲートパイプの加工
最近のF1にはエンジン音の向上のために「ウェイストゲートパイプ」と呼ばれるエキゾーストパイプの設置が義務付けられています。当然このキットでも再現をされている部分なのですが、その開口部をできる限り薄く加工します。使うものはピンバイスと球型のカッタービットです。
まずは開口部を深掘りします。
次に球型カッターをつかって開口部を薄くしていきます。この時使用するカッターは開口部の径とほぼ同じものを使うと良いです。あまり攻めすぎると割れるので程々にしておきます。
加工前
加工後
3. 各部への薄々攻撃
カーモデルにおいてかなり効果的な加工の一つにこの薄々攻撃があります。特にカーボンパーツが多用されるF1カーは各部の末端がとても薄くなっていることが多いです。カウルの末端部や、ディフューザーの末端など効果のたかそうな場所を中心に薄くしていきましょう。私がこの作業で使う道具は BMCタガネの幅3.0mmです。加工面がとても綺麗に仕上がります。
4. 合わせ目消し
実際の車には存在しないラインはなるべく消したいものです。だけどとても入り組んだ場所などの合わせ目消しって大変ですよね。そのような場所はその場所ごとに作業をどうするかという作戦を立案しなければいけません。下の写真のようなインダクションポッドの下や、インダクションポッドの中のような場所の合わせ目消しに対して私がとった作戦は、とても小さく刻んだスポンジやすりをピンセットの先で摘んで研磨するというものでした。
他にもたくさんの細部への加工があります。作品は小さな小さな作業の集合体で成り立っています。小さな作業を丁寧に行うことで、その効果は作業量の何倍にもなることでしょう。ぜひトライしてみてください。
今日はここまでです。